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《消滅時効についての基礎知識》

 消滅時効についてアドバイス・基本知識の一部・実務的な取扱いなどをご紹介します。

 多少、細かい話は もっと詳しい時効の知識と実務


1.消滅時効の期間

 民法167条において時効は10年となっています。ただ、サラ金等の消費者金融、クレジット会社である信販会社、銀行等からの借入の場合は、商法522条の商事時効が適用され、『5年』となります。お金を借りた方は会社ではなくても、一方当事者が会社であればこの適用があります。

 ただ、信用金庫、信用組合からの借入は、それらは会社とは判断されないので、借りた方が事業目的ではない限りは時効期間が10年となります。債権者が会社組織か非営利団体等で時効期間が異なるので、時効の主張をする場合は借り入れた先の種別には気を払う必要があります。


(債権等の消滅時効)
民法167条 債権は、十年間行使しないときは、消滅する。
2  債権又は所有権以外の財産権は、二十年間行使しないときは、消滅する。

(商事消滅時効)
商法522条 商行為によって生じた債権は、この法律に別段の定めがある場合を除き、5年間行使しないときは、時効によって消滅する。ただし、他の法令に5年間より短い時効期間の定めがあるときは、その定めるところによる。


2.いつから時効期間を計算するの?(時効の起算点)

 5年が時効期間の事案でも、いつから起算すればよいのかを考える必要があります。

 HPでは、最終返済から5年が経過したら「ご相談下さい」と記述していますが、あくまで相談頂く目途としての表示です。最終返済から5年で時効ではありません。時効の起算点は「期限の利益喪失日の翌日から5年」である事が多いです。

 「期限の利益喪失日」とは、相手が一括で請求できる権利が生じる日のことです。期限の利益喪失日は、貸金等の契約書の定め方によります。簡単に言えば約束通りの返済をしなかったら、期限の利益の喪失となる場合が多いです。

 「催告」があると、最大で約5年6カ月程度まで時効が延長する場合もありますし、上記で述べたような時効の起算点がいつなのかという点もあります。ですから、期限の利益喪失日の翌日から5年を経過しても時効と断定はできません。

 時効期間を経過したちょうどのタイミングで依頼をお考えの方もいますが、ちょうどのタイミングで時効を狙えるものではありません。時効ではないことを覚悟してもらい、ご依頼をお受けしたら、ちょうど時効期間が経過していたという事案はあります。

 専門用語も使わなければ正確に話せない事もありますが、相談の際は、分かりやすさを優先して、時効となっているかどうかの可能性について、個別事案に応じた説明をさせて頂いています。


3.5年が経過すればよいのか?

 そういう訳にもいかない場合があります。約5年6ヵ月程度の経過が必要な場合があります。「催告」、いわゆる請求です。裁判上の手続きである必要はありません。5年の時効期間が近づくと思い出したかのように債権者から請求がされることがあります。

 催告がなされると最大6ヵ月時効が伸びます。これを5年の時効間際でされると、最大5年6ヵ月近くの期間が必要となります。但し、催告をしてから6か月以内に訴訟や支払督促など裁判上の手続きを取る必要があります。

 なお、催告を繰り返せば、時効にならないかと言えばそうではなく、この効果は一度しか生じません。基本的には最後の催告から6ヵ月が延長されることになります。

 「5年の時効期間が近づくと思い出したかのように債権者から請求がされることがある」、と先ほど言いましたが、これは「忘れていないよ」のサインですので、6か月以内に訴訟や支払督促など裁判上の手続きがなされる可能性は高いと思います。ただ、何も裁判上の手続きをされないで、時効期間を経過するということもあるとは思いますが、賭けになってしまいますので、待つのもリスクはあります。


(催告)
民法153条 催告は、六箇月以内に、裁判上の請求、支払督促の申立て、和解の申立て、民事調停法 若しくは家事事件手続法 による調停の申立て、破産手続参加、再生手続参加、更生手続参加、差押え、仮差押え又は仮処分をしなければ、時効の中断の効力を生じない。


4.催告を受領拒否しても効果が発生するの?

 「過去に裁判所の手続きがされていないとしても、約5年6カ月の期間が経過しないとまだ、時効かは分かりません」と、ご相談の際に申しあげることが多いです。以下、ご説明します。

 「催告」を行う債権者のメリットとして、5年が時効期間である場合に、「催告」を5年の時効期間経過する直前に行うことによって、最大で約5年6カ月まで延長することができます。但し、6カ月の間に訴訟など裁判上の請求を行う必要があります。

 よって、5年が経過したから時効であるとは断定ができないのです。催告は、その方式は問いませんので、普通郵便でも有効ですが、立証責任を考えて、通常は配達証明付き内容証明で行います。

 では、催告の内容証明郵便を受け取らなかったら、催告の効力は生じないのでしょうか?配達の際に不在である場合、名宛人が受けとりに来るか、再送を希望して受領しなければ、原則として10日の留置期間の経過後に差出人に戻されます。

 結論としては、名宛人が不在でも留置期間の経過をもって催告の効力は生じると思われます。(東京地判昭61.5.26、最判平10.6.11)但し、消極説もあります。

 効力が生じる理由としては、催告の時効中断効果は暫定的なもので、6カ月の間に訴訟等の裁判上の請求等を行うことにより、確定的な時効中断行為が求められていること、新たな権利変動を積極的に生じせしめるものではない事が挙げられます。

 なお、受領拒否をした場合、意思表示は到達したものとされ、催告の効果が発生します。(東京地判平10.12.25、東京地判平5.5.21、大阪高判昭53.11.7)


5.時効の援用ってなに?

 時効を主張することを、法律用語で「時効を援用」すると言います。単に時効期間が経過しても、時効の援用をしなければ訴訟をされることがあります。「権利の上に眠る者は保護せず」という法格言があります。

 時効を主張するか否かは権利であって義務でなく、自身の判断に委ねられます。時効期間が経過したと安心している訳にはいかないのです。時効の援用をしないうちに、知らない内に借金を少し支払ってしまった、訴訟を起こされたが無視をしてしまった、などがあると、基本的に時効はご破算となります。

(時効の援用)
民法145条 時効は、当事者が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。


6.時効期間がご破算となる場合は?(時効の中断)《重要》

 民法147条で時効の中断事由として「請求」「差押え、仮差押え又は仮処分」「承認」の3つが挙げられています。中断と聞くと、「中断しているだけ」と考えるかもしれませんが、中断すると、それまでに積み重ねた時効期間は「ゼロ」となります。感覚としては中断ではなく、「白紙になる」です。

 「請求」は、ただの請求ではありません。訴訟や支払督促など裁判上の手続きをすることが必要です。単なる、請求は「催告」と呼んで、法律用語としては「催告」と「請求」とは分けて考えています。「催告」をした場合の効果は2.の説明をお読みください。催告を行うと最大で時効期間が6ヵ月伸びますが、その間に裁判上の手続きを取らなければなりません。

 なお、訴訟や支払督促など裁判上の手続きがなされ、確定すると、次の時効期間は10年となります。1.の時効の期間で説明した商事時効の適用がある場合でも、10年になってしまいます。また、10年が経過すれば時効の主張が出来るかと言えば、時効期間さえ経過をすれば、出来なくはないですが、時効期間が経過をする前に再度、訴訟や支払督促など裁判上の手続きをされると、またその確定から時効期間が10年となり、いつまで経っても時効とはならない可能性があります。

 「承認」は、債務者が債務の存在を認めてしまう事です。消滅時効の時効期間が経過する前後を問いません。時効期間が経過する前に「承認」をしてしまえば、それまでに積み重ねた時効期間はゼロとなります。承認でよく問題が起こります。よくあるのは「少額でも支払わせる」「契約をやり直す」などです。

 時効期間が経過した後に承認をしてしまえば、それまでに積み重ねた時効期間はゼロとなり、時効の援用が出来なくなる場合があります。くれぐれも注意ください。あまりにも悪質な承認のさせ方を債権者がした場合、信義則などにより無効となることもありますが、訴外で指摘しても受け入れられることはまずなく、訴訟で争う必要があるかと思います。


 《債権者に連絡をすることのリスク》

 時効となっている場合に、あまり不用意なことを話すと、『債務承認』とされ、時効が主張できなくなる可能性があります。

 電話をすると、まず、ナンバーディスプレイなどで、債務者の電話番号を知られることになります。その後は、債権回収会社や貸金業者から請求が電話でも来ることになるでしょう。連絡をした段階で「回収見込みのある債務者」になってしまいます。連絡をしなければ債権者は電話番号を把握できなかったのに、電話をしたばかりに番号を知られることになります。

 その際、不用意に勤務先の情報も知らせてしまえば、訴訟などの裁判上の手続きが確定後に強制執行をする先を自ら教えていると同じ事になります。

 電話では、債権者は返済に向けた会話しかしません。時効期間が経過していても、それについて触れることはあり得ません。また、債務を承認させるような言質をとろうとしてきます。債務を承認するような発言をすると、時効期間が経過していても時効を主張できなくなる可能性があります。

 貸金業者や債権回収会社は、証拠保全の為にその会話の内容を記録しています。また、実際に電話での会話の内容を証拠として提出され、債務の承認の主張をされた事案もあります。

 債権回収会社は、交渉記録簿を債務者ごとに、時系列に沿って、網羅的かつ客観的で明確に作成することとなっています。実際、債権回収会社の担当者に債務承認と認識されるような発言の内容を記載した書面をもらったこともあります。相当細かく記録が残されてます。会話内容が録音されており、それを書き起こした記録も開示されました。

 そのように口頭での発言内容も詳細に記録されていますので、言っていないと主張しても、言い逃れは難しい場合があります。また、訴訟になったとしたら、証拠を提出してくるはずです。時効をお考えなら、安易に債権者に連絡はしないようにお願いします。

 「今日のところは、ほんの少額でよいから振り込んで下さい」「長期の分割に応じるから少しでも払ってほしい」「再契約をしたら無金利にします。」「支払うのなら遅延損害金を免除する」など、一見、債務者にとって有利な内容を提示してきます。これに応じてしまうと、債務を承認したことになりかねません。和解書への署名押印や実際に返済をしてしまうと、時効の主張は、かなり厳しいものとなります。

 債務者はお金を借りた当事者の弱みがありますから、債権者から直接、「何とか、少額でも支払って欲しい」と言われれば、応じざるを得ない雰囲気になるでしょう。お金を借りた当事者の弱みがありますので、当事者である本人が連絡しても、相手のペースで話しが進むと思います。

 上記の通り、時効期間が経過している場合、貸金業者や債権回収会社への接触は控えたほうがよいと思われます。法務大臣認定司法書士(遅延損害金を含まず元金140万円まで)であれば、相手からの連絡や交渉の一切を代理することが出来ますので安全です

 当事務所は債権回収会社や貸金業者への時効の主張や交渉など数多く手掛けてきております。貸金業者や債権回収会社との交渉や時効の主張は当事務所までご相談ください。


《債権回収会社と交渉の記録》

 債権者に電話をして、債務を承認する発言をすると時効の中断と認識されて、時効の援用が出来なくなる場合があります。

 債権回収会社は、取扱い債権に関し、債務者等との交渉の記録を記録したものを保管する義務があります。(債権管理回収業に関する特別措置法施行規則15条1項4号)

 交渉記録簿を債務者ごとに、時系列に沿って、網羅的かつ客観的で明確に作成されています。債権回収会社に課せられた義務ですが、時効の援用の局面では、この詳細の交渉記録が残されることにより、会話の内容によっては債務の承認と認識され、後日に時効の援用をしても争いになることがあります。

 債権回収会社からの通知は電話をすることを促すような内容となっています。時効期間が経過していることを知らずに電話をして債務の承認となるような発言をしてしまうと、時効が援用できなくなる可能性があります。

 相手に電話をすると返済の話がほとんどです。コンタクトをとってしまうと、どんどんと債務を承認をする発言をせざるを得ない方向にあってしまいます。結果、債務の承認をするような発言と認識され、後日に時効に気がついても援用が出来ないという事態が生じる可能性が出てきます。

 債権者は時効期間が経過してる事実は知っていると思います。その上で返済の話をしますし、訴訟等の法的な手続きも行います。間違っても債権者が時効であることなど教えてはくれません。違法でもなんでもありません。

 「時効が援用できる状態であったことを知らなかった」と大半の方は思われると思います。ただ、時効とするには自分で気が付いて主張(援用)する必要なのです。時効は、権利であって義務ではありません。

 判例でも、時効完成の事実を知らずに債務の承認をした債務者は、信義則により、援用権を喪失すると解されています(最大判昭41.4.20)但し、総合的に判断して時効が認められる事案もありますが、訴訟で争う必要があります。

 実際、債権回収会社の担当者に債務承認と認識されるような発言の内容を記載した書面をもらったこともあります。相当細かく記録が残されてます。多分、会話のほぼ全記録が残されていると思われます。

 そのように口頭での発言内容も詳細に記録されていますので、言っていないと主張しても、債務を承認するような発言をしたことが事実であれば言い逃れは相当に難しいと思います。また、訴訟になったとしたら、証拠も提出してくるはずです。

 なお、債権回収会社のことを取り上げましたが、貸金業者なども交渉記録は残しています。

 最終返済から約5年が経過している場合、債権者に連絡をする前にご相談ください。


《請求書の期限について》

 請求書には、「**日までに連絡下さい」という表記がされている場合が多いです。ご相談者の皆様は、その日付を非常に気にされています。

 どの請求書も作成日付から、連絡の期限までの日数がかなり短いです。日にちを区切り、あまり余裕を与えない期限を設定することで、通知を見た人に「**迄に何等かの対応をしなければ」と焦らせる狙いがあると思います。

 当然ながら、連絡をすると返済を求められます。債務の承認行為を行うと、時効がアウトになりかねません。

 期限までに連絡をしなければ「法的処置を行う」「減額和解に応じる」などと記載されている場合がありますが、最終返済から5年以上経過している方は、まず時効かどうか早期にご相談ください。


《お客さん意識と債権者への連絡の危険性》

 ご依頼の前段階で、電話連絡をするなど何等かの接触を債権者とされている方は多いです。私のHPでも口酸っぱく書いていますが、時効をお考えなら、債権者とは何も対応しないようにしてください。

 あとで私が依頼を受けても、「先生が介入される前に本人と返済について話しをしています。当社は債務承認だと認識していますので、時効は認めません」と言われてしまうことがあります。

 債権者に連絡を取ってしまったとしても、時効をお考えであるなら、それ以上の対応はしないようにしてください。

 債務者と債権者は正常な取引をされている際には「顧客」と「サービス事業者」との関係ですが、時効の局面となると、「債権者は対立する相手」です。債権者も債務者をお客さんとして扱ってはくれません。

 債権者も延滞している債務者に対しては、どれだけ債権回収できるかだけを考えて行動します。当然、訴訟や支払督促も行います。判決等を確定させた後は強制執行も行うでしょう。

 お客さんの意識で債権者と対応をすると相手の思うつぼです。時効は敵対する相手がいる問題ですので、ご自身で安易に対応をせず、法律専門家にご依頼ください。


(時効の中断事由)
民法147条 時効は、次に掲げる事由によって中断する。
1 請求
2 差押え、仮差押え又は仮処分
3 承認

(時効中断等の効力発生の時期)
民事訴訟法147条 時効の中断又は法律上の期間の遵守のために必要な裁判上の請求は、訴えを提起した時又は第143条第2項(第144条第3項及び第145条第3項において準用する場合を含む。)の書面を裁判所に提出した時に、その効力を生ずる。

(裁判上の請求)
民法149条 裁判上の請求は、訴えの却下又は取下げの場合には、時効の中断の効力を生じない。
※大審院判決大正6年2月27日により、訴えの棄却を含む。

(中断後の時効の進行)
民法157条 中断した時効は、その中断の事由が終了した時から、新たにその進行を始める。
2  裁判上の請求によって中断した時効は、裁判が確定した時から、新たにその進行を始める。

(判決で確定した権利の消滅時効)
民法174条の2 確定判決によって確定した権利については、十年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、十年とする。裁判上の和解、調停その他確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利についても、同様とする。
2 前項の規定は、確定の時に弁済期の到来していない債権については、適用しない。


7.時効期間経過後に訴訟をされた場合

 時効期間経過後に訴訟や支払督促などの裁判上手続きがなされる事は実は珍しくありません。それどころか往々にしてあります。時効期間が経過した後に、自動的に、時効となり、債務が無くなる訳ではありません。時効を主張(時効の援用)をしなければ、時効の効果は発生しません。よって、時効の主張がきちんとなされていない以上は債権者は訴訟でも支払督促でも出来るのです。

 債権者が訴訟でも支払督促をしてきた場合に無視をしてしまうと、時効が「ご破算」になってしまいますので、簡易裁判所の訴訟代理権を保有する認定司法書士もしくは弁護士に依頼をすることをお勧めします。

 当事務所が時効期間が経過しているにも関わらず、訴訟を起こされた場合の対応について述べます。民事訴訟法の知識が必須です。まず、時効の援用をする旨を答弁します。後に、原告(債権者)より時効中断事由の主張がされる場合があります。消滅時効の要件に該当し、原告(債権者)から時効中断事由の主張もない場合は、2回目の期日を待たずして原告(債権者)の請求を棄却する判決がなされる場合があります。

 時効の援用をする旨を裁判で主張後は、原告(債権者)は訴訟の取り下げを申し立てる事が多いです。答弁後の訴訟の取り下げには被告の同意が必要になります。(民訴262条2項)取り下げに同意した場合は訴訟は初めから係属していなかったことになります。(民訴262条)

(訴えの取下げ)
民事訴訟法261訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。
2 訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。ただし、本訴の取下げがあった場合における反訴の取下げについては、この限りでない。
3 訴えの取下げは、書面でしなければならない。ただし、口頭弁論、弁論準備手続又は和解の期日(以下この章において「口頭弁論等の期日」という。)においては、口頭ですることを妨げない。
4 第二項本文の場合において、訴えの取下げが書面でされたときはその書面を、訴えの取下げが口頭弁論等の期日において口頭でされたとき(相手方がその期日に出頭したときを除く。)はその期日の調書の謄本を相手方に送達しなければならない。
5 訴えの取下げの書面の送達を受けた日から二週間以内に相手方が異議を述べないときは、訴えの取下げに同意したものとみなす。訴えの取下げが口頭弁論等の期日において口頭でされた場合において、相手方がその期日に出頭したときは訴えの取下げがあった日から、相手方がその期日に出頭しなかったときは前項の謄本の送達があった日から二週間以内に相手方が異議を述べないときも、同様とする。

(訴えの取り下げ擬制)
民事訴訟法263条
 当事者双方が、口頭弁論若しくは弁論準備手続の期日に出頭せず、又は弁論若しくは弁論準備手続における申述をしないで退廷若しくは退席をした場合において、一月以内に期日指定の申立てをしないときは、訴えの取下げがあったものとみなす。当事者双方が、連続して二回、口頭弁論若しくは弁論準備手続の期日に出頭せず、又は弁論若しくは弁論準備手続における申述をしないで退廷若しくは退席をしたときも、同様とする。

(訴えの取下げの効果)
民事訴訟法第262条 訴訟は、訴えの取下げがあった部分については、初めから係属していなかったものとみなす。
2.本案について終局判決があった後に訴えを取り下げた者は、同一の訴えを提起することができない。


8.簡易裁判所の「支払督促がなされた場合

 「支払督促」について、簡単に言いますと、支払督促は簡易裁判所の手続きで、確定までには、2度送達があります。それぞれ2週間、計4週間程度の時間の猶予はあります。最初の送達から最短で4週間無視をすると確定してしまいます。

 もう少し詳細を言いますと、支払督促が債務者に送達されてから異議なく2週間が経過をすると、債権者の申し立てにより、「仮執行宣言」が付与されます。「仮執行宣言」が付与されると、債権者は、とりあえず強制執行ができるようになります。まだ、支払督促は確定していません。

 この仮執行宣言付支払督促は、債務者に送達されます。それから異議なく2週間が経過すると確定し、確定判決と同様の効果が生じます。

 なお、簡易裁判所からの支払督促の書類の中に、「督促異議申立書」が同封されています。異議申立書に安易な記載をすると「債務の承認」となり、時効援用が困難になる場合があります。ご注意ください。

 また、督促異議申し立てをしても、終わりという訳ではありません。「民事訴訟に移行」し、その対応も必要となります。

 支払督促が送達されたら出来るだけ早めに当事務所にご相談下さい。

 弊所は、通常の事例は、全国どこの簡易裁判所でも対応可能です。督促異議申し立てから、通常訴訟移行後の訴訟代理まで対応します。時効の主張も要件が整っていれば行います。


9.訴状を受け取らないとどうなるのか?

 「訴状が来ても受け取らない」と言う方がおられます。受け取らなかったら訴訟は始まらないかといえば、そういう訳ではありません。

 訴状は、「特別送達」という郵便により送達されます。原則、郵便局員が手渡しで配達されます。受領を拒否していると、受領がなくても送達がされたとされる方法があります。

 「郵便に付する送達」と呼ばれる送達です。通常の送達によっても送達が出来ない場合にでき、訴状の発送をもって受取があったとみなしてしまいます。この方法によると本人が受け取りをしなくても訴訟は進行してしまいます。

 そうなると気が付かないうちに訴訟が終わっていることになります。もし、時効を主張できるのに知らないうちに訴訟が確定してしまえば、時効は中断してしまいます。

 みすみす、時効を主張できる機会を逃すことになりかねません。


10.調停不成立の場合の時効中断について

 民法151条の準用により、調停をした場合には、調停申立時に時効中断効があると解釈されます。(最判平成5年3月26日)。但し、調停が不成立である場合、不成立から1か月以内に本訴を提起しなければなりません。

 よって、調停を過去に起こされた記憶がある相談者については、調停が成立したのか、不成立であったのか、不成立であったなら本訴がなされたのかを司法書士にお伝えください。ご相談者の中には、調停が成立した後に返済が滞ったことを、調停が不成立になったのだと勘違いされている方もいますが誤りです。

 債務整理でも時効の主張でも、法律問題なら多くが当てはまりますが、ご相談者は、誤解した状態や誤った意味で法律用語を使用されることが多々あります。時には、「**はこういう意味なんですが、よろしいですか?」とあえて、尋ねる事もあります。

(和解及び調停の申し立て)
 民法151条 和解の申立て又は民事調停法 (昭和26年法律第222号)若しくは家事審判法 (昭和22年法律第152号)による調停の申立ては、相手方が出頭せず、又は和解若しくは調停が調わないときは、1ヶ月以内に訴えを提起しなければ、時効の中断の効力を生じない。


11.特定調停と時効の起算点

 平成12年前後〜平成20年前後にかけて、特定調停が多く行われた時期がありました。その為、特定調停を過去に行った方からの相談がたまにあります。

 特定調停の調停調書には期限の利益喪失条項が記載されています。その期限利益喪失条項に該当した時から約10年です。よって、調停成立後に返済を滞納して、期限の利益を喪失した時から約10年となります。


12.訴訟確定後に再度時効を待つか?

 相談をお受けすると過去に訴訟など裁判上の手続きが確定している方がいます。判決が確定している方は時効期間が判決確定の翌日から10年となります。判決がいつ確定しているのか分からないという場合、裁判所に「判決確定証明申請書」を提出し、申請をすることで判明します。

 判決確定から8年を経過しており、あと2年位だから時効を待つという方もいるかもしれません。ただ、その2年の間に再度、訴訟をされてしまうと、また、その判決確定の翌日から10年の時効期間の経過が必要になります。待った期間が徒労に帰すだけではなく、待っている間にも遅延損害金はずっと増え続けてしまうというリスクがあります。

 一度、判決確定まで至った方が、再度、時効を待つというのは慎重に考えたほうが良いと思います。


13.主たる債務者と連帯保証人の時効援用について 

 今日は、連帯保証人がいる債務について、主たる債務者の方から時効援用のご相談を頂きました。主たる債務について時効を援用すれば、附従性により、連帯保証人の保証債務も消滅します。

 連帯保証人と主たる債務者について各々に生じた事柄がどのように影響をしあうのかは、一般にはなかなか理解が難しいと思いますが、出来るだけ簡単にご説明します。具体的な事案については法律専門職にご相談する必要があります。

 以下、説明です。

 大前提は、主たる債務に生じた事由は、原則として、連帯保証債務にも影響を及ぼします。逆に、連帯保証人に生じた事由は、原則として、主たる債務者に影響を及ぼしません。

 先に述べたように、主たる債務に生じた事由は、原則として、連帯保証債務にも影響を及ぼします。よって、時効期間が経過前に、主たる債務者が債権者に一部弁済をすると、連帯保証債務についても時効が中断します。

 但し、時効期間が経過後に、主たる債務者が債権者に一部弁済をすると、主たる債務者は時効を援用できなくなります(最裁昭41.4.20)が、連帯保証人については、主たる債務者の時効を援用する権利は失いません。


 連帯保証人に生じた事由は、原則として、主たる債務者に影響を及ぼしません。連帯保証人が債権者に一部弁済をしても、主たる債務者の時効を中断しません(大判昭12.11.2)。よって、主たる債務について時効援用は可能です。

 例外として、連帯保証人への訴訟などの裁判上の手続きによる請求は、主たる債務についても時効が中断します。ただ、連帯保証債務の時効期間は10年となりますが、主たる債務の時効期間には影響しないと言われています。(大審院昭29.9.10)

 そうなると、連帯保証債務の時効期間経過前に、主債務の時効期間が経過する場合がありますが、連帯保証人は主債務の時効を援用することができます。(最裁昭43.9.26)

 なお、主たる債務者への訴訟などの裁判上の手続きによる請求は、連帯保証債務も時効を中断することは同じですが、連帯保証債務の時効期間も10年になる点が異なります。


14.時効ではない場合、返済をする上での和解の重要性

 貸金業者等からお金を借りたが、支払を怠ってしまった。何年か経過し、相手から返済を求められたので、とりあえず言われるまま返済を続けた事案についての説明です。

 「債権者に毎月返済をしていたのですが、借金が減っていないと言われた。」「返済をしているのに借金が増えていると言われた」などのご相談を承る事があります。

 数年に渡り、毎月返済を行っていたが、ある時、債権者から連絡があり、「まとまったお金を返済してほしい」「返済額を増やして欲しい」「遅延損害金が膨らんでいます」などと言われて、残債務を聞くと、ほとんど減っていない、逆に増えていると指摘されて驚いた、という話を実際に伺っています。


 私が依頼を受けて債権者と和解をする際には、和解額やその他の条件面について交渉を行い、合意が出来たら和解契約書を交わして、その条項に従い依頼人に返済を行って頂きます。

 無金利分割になることが多く、遅延損害金もどれだけカットできるかは状況次第ですが、一定額をカットした和解額で合意することがあります。和解書の通りに返済している限りにおいては、借金は確実に減っていき、少なくとも、増えることなどありません。


 ところが、「債権者から請求があり、単に言われるまま分割で返済をした」ということだと、きちんと和解書を取り交わしていないので、遅延損害金が膨らみ続けながら返済をしているだけの状態になりかねません。

 民法491条では、返済はまず費用・利息・遅延損害金に充当されることになっています。

 つまり、利息や遅延損害金を返済し切らないうちは元金が減りません。遅延損害金の増加分以上の返済を毎月行わなければ、元金が減るどころか遅延損害金が増え続けることになりかねません。


 当然ながら、このような知識は一般の方には分からないことです。ただ、法律を知らなかったでは通らないのです。延滞後に債権者からの請求に対して返済をするなら、きちんと和解額や条件面を確定し、和解書を取り交わして返済をすることが必要です。

 認定司法書士は代理権の範囲内で和解交渉ができます。ご活用下さい。


 なお、延滞から5年以上が経過している場合は消滅時効の援用が出来ることがありますので、返済や和解をする前に確認が必要です。ご依頼を頂ければ、調査して時効チェックも行います。

 時効期間が経過しているのに、返済や和解をすると債務を承認したとして時効の主張が困難になりますので、くれぐれもご注意ください。もちろん、時効援用代理も承ります。


15.時効援用ができる場合に放置する事のリスク。

 「請求がされていない会社の時効はしない」というご判断をされてしまう方もいます。ご自身のことなのでご判断は尊重しますが、時効援用ができるにも関わらず、そのまま放置することはリスクにほかなりません。

 例えば、時効が援用できる条件を満たしていても、何かのきっかけで債務の承認をにしてしまえば、時効援用は出来なくなります。

 また、そのままお亡くなりになると債務は各相続人へ法定相続分に基づいて承継されてしまいます。相続人に迷惑と負担をかける結果になりかねません。また、相続が発生すると生前に時効援用をするよりも、やっかいなことになります。

 時効の要件を備えているのであれば放置をせず、すぐに対処することをお勧めします。


 ご相談の際に、時効期間が経過していない点を指摘すると、「放置すればよいですか?」と言われる方もいます。よいです、とは答えられません。放置をすれば、時効期間がそのまま進行していくかもしれませんが、遅延損害金は膨らみますし、待って時効になると保証をすることもできません。

 「じゃあどうすればよいですか?」と問われることもありますが、メリットやデメリットを説明はできますが、実際にどのように選択するかは、ご自身の判断でお決め頂くよりほかありません。あくまでも選択するのは私ではなくてあなたです。

 また、裁判所の封筒を無視してしまう方もいます。受け取らなければよいという単純なものではありません。受け取りを拒否すると、受け取らなくても裁判所の手続きが始まってしまう場合もあります。

 そうなると、あなたが知らない間に訴訟などの裁判所の手続きが確定し、時効を主張できるチャンスを自分からつぶしていることになりかねません。


16.時効をしたら他の会社からも一斉に来るのか?

 「1社に対して時効を主張したら、他の延滞している会社からも一斉に請求されるのではないか?」という質問を頂きました。

 時効を主張したから他の会社から請求がなされる訳ではないと思います。債権者は債務者の住民票を取得できます。通常、1社が債務者の場所を把握できる状態であれば、他社も同じです。

 時効の依頼をお受けしていなくても、他社から請求は来ていたと思います。時効期間が経過しているのに時効援用をしないのはリスクを継続しているだけです。早めにご依頼ください。


17.債権者からの通知は捨てないで下さい。

 ご相談の際には、債権者から送られてきた通知が重要となります。

 通知には、時効を判断する材料が記載されている場合があるからです。そのような記載がない場合でも少なくともま、現時点での債権者が判明します。

 たまに、通知を捨ててしまい債権者すら分からなくなっているご相談者がいます。貸金業者や信販会社などの金融機関であれば、信用情報機関から情報を取得頂くことで一定の情報が把握できます。

 ただ、債権回収会社へ債権譲渡されると信用情報機関から情報が削除されてしまうので、現在の債権者から請求が来ない限り分からなくなることがあります。

 債権者が分からないとご依頼をお受けできません。そのような場合は債権回収会社から再度、通知が来てからご相談くださいと促すことになってしまいます。


18.訴訟と時効中断の時期

 時効期間経過のぎりぎりで、債権者から訴訟をされることは多いです。訴訟がされた場合に、どの時点で時効が中断するのかをご説明します。

訴訟の際は、「訴状が裁判所に提出されたたとき」に時効が中断します。ご自身が訴状を受け取った日ではありません。なお、時効の中断があると、時効の期間がゼロになってしまいます。

「訴状」と書いてある最初のページに日付が記載されています。正確さには若干欠けますが、概ね、その日に時効が中断したと考えて差支えないです。訴状が裁判所に提出されたたとき迄に、時効の要件を満たされていれば、訴訟で時効を主張できます。


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