債務整理や過払いや時効援用の用語集|司法書士あかね法務事務所

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 債務整理、過払い金、時効援用の用語集



 最新の情報を折り込み、アドバイスも含んだ用語集の枠を超えた用語集です。
 専門用語の使用をなるべく避け、簡単な言い回しをしています。



債務整理の手続きと過払い金返還請求

任意整理
司法書士や弁護士に依頼をして借金の減額をします。

取引が長い場合は借金が無くなって過払い金の返還が受けられる事もあります。
詳細に相談をして負債や経済環境、今後の展望などを聞き、本人にあった整理を心掛けています
本人の収入などと照らし合わせて返済が出来るようにします

平成22年の4月からは債務整理をしても過払いが出れば信用情報は傷つきませんのでその意味では追い風です
ただ、武富士、アイフル、アコム、プロミスなどの大手の消費者金融でも過払い返還が会社の存続を揺るがすほどの負担になっており、すんなりと希望金額が返還されるわけではありません。


過払い
任意整理をした結果、債務が無くなり過払い金が発生する事です。もしくは金利の高い債務を全額完済している場合も過払いは発生します。先ほども申しましたが大手の消費者金融でも返還を渋るご時世です。過払い請求はとにかく早目にして下さい。遅くなればなるほど不利になります。言い方は悪いですが早い者勝ちのようになってきました。


特定調停
簡易裁判所に書類を提出し、調停委員が借金の減額交渉をします。
取引が長く、借金が無くなって過払い金が発生する状態でも過払いの返金はこの手続きでは受けられません。
取引が長い場合は任意整理をお勧めします。


特定調停後の過払い
過払いが発生しているのに特定調停をしてしまった方でも後日、過払い金返還請求は出来ますが決定書に「債権なし」「債務を免除する」との文言が記載されているならいいのですが「債権、債務なし」と債権(過払い)がない事まで確認してしまっているのであれば後日の返還は厳しい事になります。


自己破産
他の債務整理では解決が出来ない場合の最終手段です。
家財道具はそのまま持っていられます。自動車もある程度の年数が経過していればそのまま持っていられます。
めぼしい財産がなければ生活が変わる事はほとんどありません。
不動産を失う事が一番大きな事でしょうか。


個人再生
住宅ローンを払いながら自宅を守り、他の借金はおよそ5分の1か100万程度まで最大圧縮出来ます。
ただ、住宅ローンそのものの返済が厳しい場合はこの手続きでも厳しいかもしれません。
住宅ローンの見直しをしても出来る事と言えば毎月の返済額を減らす事くらいです。当然、返済期間は延びますし、定年を超えてまでローンを組んでいるという事は退職金が相当あるか、かなりよい再就職先がない限り厳しいと思います。



任意整理の手続き

報酬基準
依頼の際には提示するのが当たり前なのですが提示をしない問題のある事務所もあります。
提示しないもしくは報酬基準を話そうとしない事務所には絶対依頼をしてはいけません。危険です。
当事務所は依頼の前に口頭で説明をして、依頼の際は書面で交付しています。
納得の上、ご依頼を頂ければいいのです。依頼をしつこく勧めたりしません。


受任通知
各社に「私が介入しましたよ」という書面を送ります。それが受任通知です。
以後は司法書士や弁護士が間に入ることになります。
支払いもストップ出来ます。その代り貯金して下さい。

取引履歴
いくら減額出来るのか?過払いは発生するのか?気になるところです。
それが分かるにはこれ取引履歴を基に計算してみないと分かりません。
取引履歴は明細を一覧に分かりやすくしたような書類です。
依頼人が契約書や明細など一切持っていなくてもほぼ保管している分は開示されます。
何時にいくら借りた、いくら返したというのを一つずつエクセルで入力していきます。
一つでも入力を間違えると全然違う結果になります。
法律の論点ごとにいくつかの計算結果を出します。相手が主張してくるであろう計算結果、依頼人が一番有利になる計算結果などを出して交渉に生かしていきます。


交渉
以前であれば電話してすぐに和解、過払いの支払いもすぐ・・・なんて時代もありました
今は過払い請求が膨大にされて各社とは交渉も順番待ち、和解も稟議に時間がかかる、渋られる、返金も遅い。
という状態です。「出来るだけ早く解決して下さい」と依頼人さんにも言われる事がありますが、既に出来るだけ早くやっているのです。手前味噌ですが当事務所ほどこれほど迅速かつ丁寧に業務をしている事務所はないと思います。


和解書
和解がまとまれば和解書を作成します。当事務所で作成する事がほとんどですが、稀に相手方が作成をする事もあります。
基本的に過払い金の返還口座は代理人の当事務所口座です。
依頼人には当然に和解書の原本をお渡しいたします。
和解書の原本を渡さない事務所は危険です。金額を改変して逮捕された法律家がいます。


将来利息
任意整理の結果、債務が残った場合、和解書に定められた金額についてつける金利を将来利息といいます。
以前までは将来利息なし。つまり、無金利の分割で当然のように支払える事を相手も了承してくれました。
無金利の分割は多重債務者への配慮として慣例として行われてきました。
ただ、最近は過払い請求が著しく消費者金融側の対応も厳しくなってきました。しかし、そもそも利息を付ける事自体は法律上認められていますので、法律上、反論の余地はありません。最近は一部の会社において将来利息をつけないと和解に応じない会社も増えてきました。過払いの場合だけではく債務が残るであろう場合も早目に整理をした方がいいという事です。


遅延損害金
任意整理の結果、債務が残った場合はそれを支払ってもらうのですが、支払いを怠ったらどうなるか?
ペナルティとして課されるお金のことを遅延損害金と呼びます。
利息制限法の金利に14.6%をかけた金額を設定される事が多いです。
最大で29.2%まで請求されてしまいます。これは利息ではなく、遅延損害金というペナルティですのでグレーゾーンでもなんでもありません。後に債務の減額や過払いなどは発生しません。キチンと支払いしましょう。


期限の利益の喪失
借金を「分割で支払える事」を期限の利益と呼びます。それを喪失するのですから「一括で支払え」となります
遅延損害金同様に支払いを怠ると期限の利益は喪失しますので一括で支払えと言われても文句は言えずに後の祭りです。
キチンと支払いましょう。


任意整理で債務減額の理屈

利息制限法 
明治10年に出来た大変古い法律です。実は憲法よりも民法よりも早く出来た法律でもあります。
15%〜20%の金利が定められていますがほとんどの場合は18%が適用されます。
これを超える金利の支払いをしていた場合は任意整理や特定調停で減額ができます。
取引が長い場合は借金が無くなって過払いの返還が受けられます。


出資法    
貸金業者は一定の要件を満たせば29.2%まで金利をつけても良いことになっています。昔はこの金利でも貸金業者側が裁判でも勝訴していたのですが2006年頃からほぼ貸金業者が負けるようになりました。今では利息制限法の金利に引き直して計算が出来るようになりました。


グレーゾーン金利
利息制限法と出資法の間の金利です。この金利で今では減額や過払い返還がされるようになりました。
なぜこんなグレーな金利帯があるかと申しますと貸金業界と国会議員との妥協の産物だと言う事です
やっと、貸金業法が平成22年6月に全面実施で今後の契約に関してはグレーゾーン金利は無くなります。
全面実施前の契約によるものはグレーゾーン金利は存続します。



過払い返還の論点

取引の分断(個別取引)
最近では最大の論点です。
取引の途中で完済をしていると完済の前とその後の取引とは別々の契約だと貸金業者は主張してきます。
この論点は現在でも勝ち負けが分かれます。
最近、過払いで各社がダメージを受け過ぎているので業者よりの判決も目立つようになっています。

例えば、平成2年から取引をして平成18年に完済。平成19年から取引を再開して現在に至る場合

平成2年から平成18年を一つの取引として計算します。
平成19年から現在を別の取引として計算します。
分断があると債務の減額が思うように出来なかったり過払い金が減ってしまいます


過払いの時効
過払いの時効は最終取引から10年です。上記で説明した分断があると、完済を平成11年にしていると平成2年〜平成11年の取引で生じた過払い金は時効だと貸金業者から主張されてしまいます。


過払い金に対しての利息(悪意の受益者)
過払い金に対しては5%の金利を付けて請求出来ます。過払いに対して利息を付けるには貸金業者が悪意の受益者でなければいけません。悪意の受益者とは過払いであると知っていて受け取っていか否かという事です。
貸金業者は「2006年の最高裁判決が出た後はいざ知らず、その前は学説や裁判例も判断が分かれており、貸金業者の勝訴判決もあったので自分達は過払いになるなんて思わずに商売をしていた」というような主張をしてきます。
今でも強硬に争ってきて高裁まで揉める事もあります。


過払い金返還請求訴訟について


過払い金返還請求訴訟
一般的には過払い訴訟とも言いますが、事件名は不当利得返還請求訴訟です。
140万以下は簡易裁判所。それ以上は地方裁判所に提訴します。
請求する側の住所を管轄する裁判所に提訴する事がほとんどです。


訴状
訴訟をするには訴状を裁判所に提出します。印紙と切手を添えて郵便で構いません。
印紙代は訴訟額に応じて異なります。切手は6千円程度をまずは添えます。
訴状は裁判所用と貸金業者用の2部を送付します。

訴状程度ならマニュアル本が売られています。以前なら訴状を出してすぐに和解というケースが多かったのですが最近は相手もかなり争うようになってきました。答弁書が出てきて準備書面を書かなければいけません。最近の過払い訴訟は司法書士か弁護士か相当勉強した方でないと対応は困難だと思います。


答弁書
訴状を提出すると始めの反論の分が答弁書です。以前はペラ1枚で「追って主張する」程度だったのですが最近はキッチリと何枚もしくは10枚を超える答弁書が出されるようになってきました。


準備書面
答弁書が出てきたら次は相手の反論に対して反論します。それを準備書面で記載するわけです。
答弁書にあった主張の認否を行います。
認否を簡単に言うと「認める」はそのまま、「否認する」は事実的な部分で認めない、「争う」は法律論の部分で認めない。「否認ないし争う」事実も法律論もごっちゃになっている場合に認めないです
後はこちらの主張を記載していきます。

弁論準備手続き
争点と証拠の整理を訴訟の早い段階で行う手続きです。
過払いの訴訟の場合は第1回口頭弁論の際に裁判官が「じゃあ、次回は弁論準備手続きにします」と言う事が多いです。
弁論準備手続きは非公開で裁判官が相当と認めた方でない限り、傍聴は出来ません。
裁判書類を作成した司法書士である場合は認められる事が多いです。
ラウンドテーブルといって普通の円卓で話し合いをします。

受諾和解
訴訟していても和解が話し合いで成立すれば和解となります。
すぐに過払いを入金してくれるならいいのですが最近は支払いが遅いです。
そんな場合は受諾和解となることが多いです。裁判所に和解案を提出し、相手から受諾する旨の書類が提出されれば、次の期日に原告だけが出廷しても和解が成立します。


判決
勘違いされやすいのですが判決を取るとすぐにお金が確実に入るという訳ではありません。
判決をとれば交渉終わりでもありません。何時払うの?という交渉は続くのです。
判決は単に「強制執行できますよ」と言う事だけなのです。
強制執行出来る先がないもしくは分からない事が多いので判決をとっても相手の任意の支払いを待つのです。
ただ、判決をとれば払ってくれる事は多いです。


控訴
最近は貸金業者もお金がなく支払いを延ばそう延ばそうとしていますのであまり強硬な姿勢ばかり示していると控訴されます。
されてもいいのですが支払いが伸びるだけとなり、相手の思うつぼとなることもあります
折り合えるところで折り合うと言う事も必要です


企業の破たんについて

民事再生法
民事再生とは、平成12年4月よりスタートした制度です。
法人でも個人でも利用が出来ます。個人の方はこちら→個人再生

原則として経営陣は引き続き経営を行なうことが可能な点が大きく最近は経営破たんの際は民事再生による事が多いです。
経営を失敗した方を野放しにできませんから通常は裁判所により監督委員が選任されます。

債権調査手続等を経た後、債務者が再生計画案を裁判所に提出します。
そして、この再生計画案が債権者集会などで可決され、裁判所がこれを認可すればその再生計画が確定します。

アエル、クレディアはこの手続きを申請しました。
再生計画案によるとアエル5%で、クレディアは40%しか過払いは戻りません。
クレディアは最初の上場消費者金融の破たんであった為、返還率が40%と高いですが以後はこんな率にはならないです。


会社更生法
債権者数が多く、その債権額も大きい大規模な会社に適用され、株式会社しか利用できません。
民事再生に比べその手続が複雑・厳格で時間もかかります。

通常、経営者は総退陣しなければいけません。経営権は管財人に引き継がれます。
よって、従前は敬遠されがちな手続きでした。申請する経営陣はクビになるわけですから。

その為、利用が激減したのでより利用しやすいようにDIP型会社更生が生まれました。
DIP型会社更生は一部の経営陣は退陣せず、更生計画などに関与する会社更生手続きです。

民事再生より法的拘束力が強い制度で経営陣も関与出来るという事で消費者金融の破たんも民事再生から会社更生法申請への流れになっています。

ロプロ(旧 日栄)はこのDIP型会社更生を選択しました。過払い金は97%カットされ3%しか返還されません。

武富士もこのDIP型会社更生を平成22年9月28日に申請しました。
過払い金がどの位カットされるかは分かりませんがロプロが3%でしたから・・・・さて


貸金業法

総量規制
平成22年6月18日から年収の3分の1を超える貸し出しを原則として禁止となります。

年収の3分の1を超える借り入れがあり総量規制の影響を受ける人は借り手の約5割。年収300万円以下では約7割にもなる。キャッシングの利用者は約1170万人。単純計算で日本に就業人口がおよそ6000万人なので6分の1が消費者金融や信販会社のキャッシングを利用している事になります。

専業主婦は約1600万人おり、そのうち190万人弱が消費者金融などを利用しています。
消費者金融や信販会社は原則として専業主婦への貸付を取りやめる方針を固めています。
抵触すると思われる方や専業主婦で借り入れをしている方はとにかく早目に司法書士や弁護士にご相談して下さい


時効

内容証明郵便
証拠能力が高い郵便ですので法律上の効果を生む意思表示は内容証明で行います。
代表的なものが時効の主張(時効の援用)です。

内容証明郵便は同じ文面で3通を郵便局に提出します。なぜ3通かと言うと、1通は自分の控え、1通は相手に送付、1通は郵便局で保管となります。これで郵便を出したこと、出した日付、文書の内容が証明されるのです。

注意点としては必ず「配達証明」を付けて下さい。相手が郵便を受け取ったこと、受け取った日付が証明されます。
内容証明と配達証明はセットとお考え下さい。また、相手の名誉を棄損するとみられるような文言や他にも余計なことは記載しないで下さい。内容を証明される郵便ですので逆に相手に有利な証拠を与えてしまいます。
端的に、最小限の事しか記載しません。


時効の援用 ⇒時効の援用専門サイト
消費者金融や信販会社などから借りたお金の時効は5年です。
ただ漫然とその期間を経過しただけではダメです。
「私は時効を主張しますよ」と言う必要があります。それを時効を援用すると呼びます。
時効の援用は通常、内容証明郵便で行います。普通の郵便では証拠が残らないのダメです。
もし時効が完成していると思われる方はその業者から1円でも支払っても借りてもいけません。債務を認めた事になって水の泡になります。

訴訟などの手段を講じられてしまうと10年に延びます。
しつこい債権者の場合は訴訟をして時効を完成させないようにしてきます。
その間に渡って遅延損害金が膨らんでおり本気で請求されるととんでもない事になります。

結果として5年で時効となる方もいますが、相手が本気で対応してくれば恐ろしい事になりますので最初から「逃げればいい」という考えは止めておいた方がいいでしょう。人生にも期限があります。貴重な時間を時効の完成に執念を燃えすなんて事はもったいないです。支払えなければ自己破産をした方がいいかと思います。


時効の中断
「今から10年近く前に完済したのですが過払い請求出来ますか?」という相談があります。
過払いの時効は最終取引から10年です。急を要します。
時間に多少余裕がある場合は取引の履歴を取得して時効になっていないかまず確認します。
時間的余裕がないもしくは10年近く前に完済したとしか分からない場合はとりあえず「内容証明郵便」を送付します。
普通の郵便では証拠が残らないのでダメです。
すると、暫定的ですが時効の期間が6カ月だけ延びます。その間に様々な対応をするわけです。
もしくは訴訟を提起すれば時効は中断します。


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