〜7〜
水平線の彼方に、赤い光が一条奔る。
夜明けだ。
降ろされていた夜の帳が音も無く上げられ…今日も一日が始まった…と実感させられる光景だった。
空には七色の雲が広がり、海の広さと空の大きさとを見せ付けられた様な気持ちになった。
この空や海からみれば、ちっぽけな船の上の俺の存在など、実に小さい存在で……………なら、更に小さなあの蝶は……?等と考えていると、傍らの愛しい相手が目を覚ました。
「おはよう、ウソップvv」
「…………はよ…………」
寝ぼけ眼のウソップは、くしゃくしゃの髪を掻き上げながらもぞもぞと起き上がった。
昨夜の行為の後始末は俺がしておいたが、髪が掻き上げられた事で露になった項に…赤い跡を見つけた俺は、それこそ所有印の様に思え…つい、にやけてしまう。
まだ少し肌寒いこの時間帯…寝惚けているウソップは、素直に俺に擦り寄ってきた。
「〜〜〜〜〜〜〜〜………………」
「まだ眠ィんだろ?……もうちょっと寝てろ」
俺の言葉に素直に頷いたウソップは、腕の中でやすらかな寝息を立て始めた。
俄然、愛しい気持ちが湧いてきて…その額にキスを一つ落とすと、毛布を掛け直してやる。
昨夜は久し振り…と言う事も手伝い、つい強く求めてしまい…ムリをさせてしまった。と、今更反省する。
だが、俺がこれ程求める相手は…ウソップ以外に考えつかず………
「…………好きなんだよな、結局」
世界中の何よりも大切で。
誰よりも愛しい相手で。
昔の俺は……そう。
例えるなら、花々の間を飛び交う蝶の様な存在だった。
美しい花と見れば、すぐ飛び付く。
あっちの花、こっちの花…と、本当に節操なしだった。
………ウソップに出会うまでは………
俺が蝶なら…ウソップは花。
俺を魅き付けて止まない……極上の花だ。
もしかしたら…全ての蝶は自分だけの『花』を探しているのかもしれない。
その花を探すために…銀月蝶は『渡り』をするのかも知れない。
『花』を求める『旅』を。
俺がバラティエを旅立ったのも、ウソップがシロップ村を旅立ったのも、全てはこうして二人…出会う為のもの……等と考える辺り、俺も大概にロマンチストだ。
「だけど…オマエのいない旅なんて、想像出来ねぇんだ………」
おれの記憶の中には、いつでもウソップがいる。
それが普通であり……必然で………当然なのだ。
この広い世界で。
経った一つ……俺だけの
『花』
誰も代わり得る事の出来ない『花』を見つめながら、俺は思いを巡らせる。
夜の海を行く銀月蝶の群れを。
その先には……きっと、求めるべき花があるのだろう。
そして……全ての『蝶』が、求めるべき『花』に出会えますように………と願った。
すると、そんな俺の声が聞こえたのだろうか、銀月蝶がふわり…と翔んできた。
「……がんばれよ………」
苦手な虫には違いないけど…花を探す旅人に、俺は心からエールを送る。
……願わくば、見つかります様に……と。
朝日はその勢いを増し…空も海も朝焼けに色付いていた。
その光の中でも、決して輝きを失わない不思議な蝶は、しばらく俺の視界を漂っていたが……折りしも、吹き抜けた一陣の風に乗って。
…………何処へともなく…………消えた。
花を探す旅人を見送った俺は、今しばらく微睡の世界を共有しよう…と、腕の中の恋人に身を寄せた。
出来る事ならば……同じ夢の中へ、と願いながら………
FIN
さてさて…いかがでしたでしょうか(^_^;)
何分、昔々の文章でして…うわぉ!奥付確認したらば三年前でした!
正直、打ち直してて涙出そうでした……下手クソ過ぎで(^_^;)
特にその辺りボロボロなのが…『6』でしょうか。
いかに自分が逃げていたかがモロバレでして…え?
何を……ですって?
聞かないでたもれ〜!!!(苦笑)
…と言うか、少し〜は進歩してたんだ自分!
なので、良かった〜…とも思いました♪
完売した物の中で、この本が最初の読みきり物でした。
船の中での話だったので、他のクルーも結構出せましたし♪やはりワンピ
クルーは皆好きなので、本当ならもっと書きたかった事ありました。
がしかしと言うか、やはりと言うか…愛の偏りは出ますね(笑)
ぶっちゃけ女性陣いないと、物語が動かないんです。
ルフィはトラブル起こすだけなら大丈夫ですが、解決策は思いつきそうに
無く…ゾロに至っては、何を喋らせればいいのか非常に悩むんです(苦笑)
でまあ、自然に出番が減っていく計算に…スンマセン(^_^;)
でもま、読み返してて自分自身懐かしく…打ち直しは大変ですが楽しくもあ
りましたvv
お付き合いいただきましてありがとうございましたvvv
RETURN
PS。
同人誌に入っておりました挿絵を対応した頁の何処かにこっそり入れてみました(笑)
昔の絵で恐縮ですが…探してみて下さいませ〜♪