★Give Words To You★
星が輝く夜空を見上げながら、俺様はとても良い気分だった。
朝からクルー皆に祝いの言葉を掛けられ、ルフィなんぞは力一杯抱きつく物だから…ウッカリ、生まれた日が命日になりそうな目にあったりもしたが…
それでも、今日はめでたい俺様の誕生日だった。
「ん〜んんん〜〜っと、綺麗な夜空だなぁ〜〜」
自分でも何の歌かは分からないが、気分に任せて鼻歌等を鼻ずさんでいると…こつ、こつ…と、甲板を歩き回る足音が…柔らかな夜風に乗って耳に届いた。
もうパーティも終了し、全員が夢の世界へ旅立ってもおかしくない時間だと言うのに誰が?と思っていると、足音は段々とこちらへ近付いて来た。
ふわり、と鼻先を掠めた香りが足音の主を教えてくれて…
「サンジ?」
「…おう」
振り返らずにそう聞けば、一瞬遅れて返事があり。
やがて隣にサンジが腰を降ろした。
「今日は、ありがとなっ!メシ、すっげー美味かったぞっ!」
「クソ当然だな。俺が作るメシに、不味いモンは無ぇ」
口調だけなら普段どおりのサンジなのだが、ふ、と見遣った横顔…俺様の右隣に座っているから、前髪で表情は全然分らなかったけど、左耳が赤くなっているのが見えたから…照れているのは丸分りだった。
「なぁ、ウソップ」
「ん?何だ」
俺様がそう返事をすると、一瞬サンジがこちらを見たが…慌てたように視線を逸らしながらも先を続けた。
「その…皆に何貰ったんだ?俺、披露の時キッチンに居たからさ…」
「へ?ああ…プレゼントなら、男部屋に広げてあるぜ?」
芝生甲板での飲み会だったので、確かにあの時サンジは居なかったっけ…と思いながら、今日貰ったプレゼントの中身を羅列する。
「ん〜と、まずナミはロビンと合同で…ジャケットと帽子を貰ったんだ。こう、黒い皮製でピッカピカなんだぜ!」
「流石はお二人!良いセンスをしていらっしゃる!!」
デザインを見もせずにそう言い放てる辺りがサンジだが、確かに良いデザインの品物だったので気にせずに次に行く。
「で、ゾロとルフィが…新しい釣竿と、ルアーのセットをくれたんだ」
「ふぅん…ま、要するにだ。大物釣って食わせろって事だな」
確かに、その意図が全く無い…いや、もしかしたら八割そんな意味が込められていそうだが、それでも嬉しかったので良しとするとして。
「んで、チョッパーとブルックが…コレはオマエも聞いただろ?」
「おう、アレな」
二人は、全員が揃った時に…何とも可愛らしい演奏会を開いてくれたのだ。
ブルックは得意のバイオリンで、チョッパーはハーモニカと言う具合だったが、二人が奏でる演奏に乗せて皆が歌ってくれたバースデーソングは…正直、涙が出るくらいに嬉しかった。
「で、フランキーのは…実はまだ、完成してねぇんだけどさ」
「うん?」
「俺様の工場本部に、仮眠用のベッドを作りつけてくれるって言うんだ」
「ああ、成程な」
改造に熱中していて、気付けばその場で寝こけて…寝違いをする事も珍しくない俺様に、それならば…と申し出てくれたのだ。
「サイズの都合でマットが無いから、次の島に着くまではお預けなんだ」
「そうか。でもま、楽しみは先延ばしにした方が…出来上がった時うれしいってなモンだろう」
「だよなっ!あ〜早く次の島に着かねぇかな〜」
俺様がそう言うと、サンジは笑って…その笑顔に、ドキッとしてしまった。
考えてみたら、俺様達、その…一応コイビト同士って言うヤツな訳で。
でも、今日は朝から怒涛のパーティ三昧で…こうして二人、ゆっくりと過ごすこと等出来なかった訳で…
そう思うと、途端に心臓がバクバクし出す。
手の平には、妙な汗まで滲んで来るし…慌てて開き、胸元で拭うも妙にそわそわとしてしまって、どうも落ち着かない。
「さっ、さーーーてと!今日はもう疲れたし…寝……」
「ウソップ」
自分の心臓の音をサンジに聞かれてしまうのでは…と焦った俺様が、わざとそう大声で言うと…静かなサンジの声がそれを遮った。
「…な、何だ?」
「…………………」
サンジは何も言わないまま自分の胸元に手を入れると…やがて、しゃら…と言う音と共に、銀色の物を取り出した。
星明りに煌めくそれは…手の平に収まるサイズの、懐中時計だった。
俺様が見守る中…サンジはゆっくりと時計の蓋を開け、中を俺様に見えるように傾ける。
時刻など気にしていなかったが、針は後数分で今日が終わる事を告げていた。
「そっか、俺様の誕生日も…もう少しで終わるな…」
また一年の時間が巡れば来る日ではあれど、今年のこの日はもう二度と訪れる事は無い訳で…少しだけ感傷的な思いが生じた時だった。
「ウソップ、今日の一番は無理だったから。だから……今日の最後を、俺にくれないか?」
「へ?」
サンジは時計を俺様の手の平に乗せ、その上からぎゅっと握って…真っ直ぐに俺様を見詰めた。
その優しく温かい視線を独り占めしているだけで、もう心臓は壊れそうなほどに脈動を繰り返し…頬といわず耳も首筋も、熱くなって行くのが分った。
「ウソップ…誕生日、おめでとう」
そっと囁くように言われたその言葉は、一年に一回だけのこの日の最後に…俺様に贈られた言葉となった。
「うん、ありがとサンジ…スッゲー嬉しい」
「ウソップ……」
ぴかぴかの懐中時計は、多分も何もサンジが用意してくれたプレゼントなんだろうけど。
でも、今は工場支部の上にそっと置かせて貰った。
だって、今はサンジの手を…
その温もりを、感じていたいから。
END
ま、間に合ったっ!!
すんごくギリですが、ある意味内容にピッタリの時間にup出来ていますww
誕生日的な作品を書くのって、これまた久々な辺りダメダメですが…今年こそはっ!と足掻いて良かったですww
何はともあれ、ウソップ!
お誕生日おめでとうっ!!
これからもサンジとイチャイチャしててねっ!!
2010/04/01(木)
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