4日目 蘇州 同里 上海
朝出発をする前に、ホテルの周りを散歩する。ホテル前の大きな通りを、自動車のほか自転車やリヤカー車など、色々な乗り物が通る中国らしい風景。
今日一番目の観光は蘇州の寒山寺だ。
お寺の周りは賑やかで、白壁の家と運河を行き交う舟が情緒深い。お寺には法塔五重塔がそびえ、3回つくと10歳若返るという鐘がある。ついてみたいような気がしたが、鐘まで上るのが面倒でやめてしまった。トホホ・・。
昨日、デジカメに思いもよらないことがおきた。なんと3日目にしてメモリーチップがいっぱいになってしまったのだ。韓国に旅行した時は充電器を忘れて失敗したのだが、今回は完璧と思っていたのに思わぬ落とし穴だ。昨日から、折角撮ったものを選別して、消しては撮り消しては撮りしていた。
と、境内の中の露店にメモリーチップがあるのを夫が見つけた。聞くと350元だという。夫は買う気満々だったが、私はかなり躊躇。そこで王さんに相談してみたところ、「ここでは避けたほうがいい、明日デパートで」とのことだった。やっぱり・・・。
その後国営のシルク工場の見学へ。
シルクの布団は薄くて軽くて素敵だった。羽毛布団と比べるとどうなのだろう?
2階がデパートになっていて、今時のスレンダーなモデルのファッションショーが開かれていた。すべて観光客対象のようだ。
昼食を終えた後、同里へ。
同里も水郷の小さな町で、白壁の旧家が並ぶ。
世界遺産の名園退思園を見学。中国の庭園は複雑な形をした石を使ったものが多い。英国庭園とは真逆で、足場がゴツゴツしていてバリアフリーには遠い。
同里で写真を撮っていたら突然電池が切れた。昨晩充電しておくべきだったと激しく後悔。
こんなに美しい風景なのにと、しつこくシャッターを押していたら、夫に「もう諦めて!」とひとこと。これで目が覚めた。今まで母のために写真を撮らなくっちゃと、いっぱいいっぱいになりすぎていた。もう撮れないのだと思ったら少しホッとした。今日は残り、自分のために風景を楽しもう・・・。
再び上海へ。
お茶のお店で試飲をしながらの説明を受ける。お決まりのお茶の販売だ。そこで一緒の席になった年配のご夫婦は、もう30回も中国を旅行しているという。
その後博物館へ。6点だか8点だかの美術品に、ボードもつけて25万円という商品の説明を受ける。ここってお店だったっけ?博物館じゃ・・・・。
長い説明の後販売とわかり、みんなはその場からちりじりに。取り残されたというか逃げ遅れた最前列のオジさんが勧められている横で、夫は興味深そうにボードを覗いていた。
夫は義父譲りなのだろう、こういうものに結構興味があるのだ。義父なら即買しただろう。
と、夫が覗いているのに気づいた販売員の人は、夫の目の前でボードの戸びらをビシャっと閉めてしまった。買う気のない人がつかまり、その気の夫は閉められてしまって、その光景が面白くて私は笑ってしまった。夫は実際の年よりは若く見えるし、ちょっと見少しイケイケなので、怪しまれたようだ。
「彼はしくじったねー」と言って二人で笑った。
夕食は上海カニ一杯つきの上海料理。
上海料理はあっさりしている。ここにきてやっと夫の胆嚢は正常に戻ったようだ。上海カニは、子どもの頃食べていた地元の川魚料理のお店の川ガニと、同じ見た目と味だった。
夜は上海クルーズのOPへ。
一番乗りで屋外の席へ。とても寒い。出発を待っていると、どやどやと数人の若者が入ってきた。関西弁をしゃべっている。
「えげつないネオンやな。大阪じゃありえへんでー」「看板ばっかやな」とか言っている。ここは大阪じゃないからそりゃありえへんやろ、と突っ込みを入れたくなる。
やっぱり関西パワーはどこにいっても目立つようだ。そのうち王さんが私たちに説明を始めると、若者たちはおとなしくなってしまった。
そこに今度は韓国パワーがやってきた。どやどやどやと、関西人の比どころじゃなくものすごい。王さんが「韓国の観光客ですね」とひとこと。なんか言い方にトゲがあるように感じたのは私だけだろうか。
グルーズがはじまり幻想的な夜景が広がるが、全体的に靄っている。夫が「排気ガスですか」と王さんに尋ねると、「霧です」との答え。F1好きの夫は、上海グランプリのことなどを王さんに聞いていた。私は寒さがこたえてきた。
中国旅行も残すところ2日となった。
初日の添乗員さんの言葉を思い出す。
「旅行に行ける方は幸せな方です。健康な身体があり、時間があり、一緒に行ける人がいて、そこそこのお金の余裕もある。」
本当にその通り、これだけの条件をクリアーするのは難しい。
添乗員さんはこうも言っていた。
「ここにはもう二度とこないかもしれません。同じ中国にしても次回は違う場所を旅行するかもしれません。一生に一度訪れる場所を後悔のないよう見ていってください。」
そんなことを思い出しながら、上海のホテルで眠りにつく。

ホテル前の大通り
寒山寺前
水郷の町 同里
同里
寒山寺
シルク工場
蘇州の運河