第12訓 ツモは運、出あがりは腕
 引きが強い者が必ずしも実力者とは思わない。ツモは天運だからだ。誰にも左右されない。一方、出あがり、つまりロンは、腕であるといえる。捨て牌から和了牌を引き出させるのだから。つまり、捨て牌に工夫を凝らすことが上級者として不可欠な要件であるといえる。捨て牌のテクニックは別に説明するが、要するにツモが良いことで自分の実力を過信してはいけないと言うことである。「引きが強い」なんてものは偶然をさも必然であるかのように思わせているだけで恐れるに足りぬ。つり出してこそ実力である。捨て牌は、攻守の全てが克明に表れる、いわば麻雀の全てであると私は考える。捨て牌に凝れない者は永遠にAクラスにはなれない