クマ対策基礎知識

日本のクマ
日本を代表する「ツキノワグマ」「ヒグマ」は、力が強く、突然攻撃をしてくることがある。生育地域では、「一人で行動しない」、「クマの生育する場所には近づかない」などの注意が必要。堅果類(どんぐりなど)を主にエサとするが、堅果類凶作の年には、エサを求めたクマが、人里まで出没する要因の一つとなると考えられている。また、森林環境、特に里地里山の森林の変化、中山間地域の社会環境の変化、さらには狩猟者の減少などが総合的に作用して、農地や集落周辺に出没しやすい条件が増えているとも考えられる。
対応マニュアル
クマとの遭遇を避けるには クマのことを知る。クマの出没情報に気をつける。クマに自分の存在を知らせるクマの隠れ場所になりそうなところに注意する。
クマに出会ったら クマは非常におくびょうな動物で、急な動作で、驚き、攻撃してくることがあるため、冷静にあわてずクマが立ち去ってからその場を離れる。
クマの被害を防ぐためにはクマが利用しにくい環境を作る
(1)見通しの悪い場所の下刈りをする。(2)隠れ家となりそうな川沿いのやぶを除去する。(3)クマの好物を取り除く。(4)収穫後の農産物、家庭の生ごみは野外に放置しない。(5)庭先のカキ、クリなどは放置しないで早めに取る。(6)家の周囲でハチの巣を見つけたらなるべく早く取り去る。
餌付けをしない・ゴミを放置しない
(1)人がおいしいものはクマもおいしい。(2)クマを食品や生ごみでおびきよせない。(3)キャンプ場や山林に生ごみなどを放置しない。(4)クマの生息地域の近くで、エサとなる家庭ゴミを捨てるなどの不注意、不適切な行動がクマをおびき寄せることになるため、住民の自発的な対処能力を高めることが必要。
環境省「クマに注意!−思わぬ事故をさけよう−」(PDFファイル)|Yahoo!百科事典

地方自治体・行政機関等のクマ対策

所管 概要
都道府県 地域住民の努力ではカバーできない生息地の改良など広域的対策や、電気さく設置など防除施設を市町村と協力して支援する。
市町村 住民への普及啓発、被害防止に重点をおいた取組。また、保護管理対策に対する地域住民の要望と、県全体の保護管理計画の調整を図るなど。
警察・消防署 クマが出没した場合、地域住民は警察あるいは消防に第一報を通報する場合が多くある。このため、警察と市町村あるいは県の担当機関の間で、クマ出没情報を共有する連絡体制を構築。また、クマによる重大な人身被害が発生した場合は、その後のクマ対策に役立てるため市町村及び県の担当者と警察が情報を共有するなど。
緊急連絡体制の整備
農地や集落など人身被害の危険が高い地域にクマが出没した時に備え、出没の連絡と対処及び対応判断の連絡体制の整備。これには、出没地域や状況を見極めた対処判断も含まれる。
広報体制整備
住民への警戒を呼びかけるとともに、むやみに騒ぎ立てクマを興奮させてより異常な行動や人身被害が拡大することがないよう、正確な情報を伝える広報体制の整備。また、平常時においてもクマの生態や被害防止について普及啓発を図る。
人材育成
出没時の対応体制整備、危険予防のための防除手段の拡充および捕獲管理のために対処能力(予防対策−出没時判断−対応処置)を持った人材の育成。
広域保護管理計画の作成
クマの地域個体群は県境をまたがって分布し、大量出没時も県境をこえた広い地域で共通の状況が見られる。このため、科学的データに基づく広域保護管理計画を作成し、地域個体群を共有する隣接県と共同で保護管理を進める。
環境省「クマ類出没対応マニュアル クマが山から下りてくる
石川県庁「引き寄せないために」・「遭遇しないために」・「遭遇してしまったら

捕獲・駆除

人里に出てきて、農作物を荒らしたり人間や家畜に危害をおよぼすイノシシやニホンザルなどの野生動物を捕獲、駆除する役割を担う狩猟員(ハンター)を職員で組織するところが増えている。銃を撃って野生動物を捕獲することを趣味としている猟友会のメンバーは高齢化してハンターが減ってきている。(Yahoo!辞書「公務員ハンター」)

狩猟・駆除数の統計

  • 過去20年間のクマの狩猟・駆除数の統計 - 環境省の「鳥獣関係統計」から、1984年〜2001年までにおけるツキノワグマ(本州)とヒグマ(北海道)の狩猟・有害駆除の統計をグラフに。地球生物会議ALIVE(2004年10月20日)

コラム

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